タウシュベツ川橋梁を撮りはじめて20年目の冬。この時期に橋を眺めながら考えるのは、沈むのかどうか。
タウシュベツ川橋梁が立つ糠平湖は、水力発電用のダム湖です。その水位の増減によって、橋は水没と出現を毎年繰り返してきました。水に沈んだ時期には橋そのものが見えなくなることから、付いた別名は「幻の橋」。
数年前まで、高さ11メートルの橋は、秋になる頃には完全に水面下にありました。橋が沈まないまま冬がやってくることはじつに珍しかったように思います。ただ、ここ数年は状況が変わりました。一年を通じて、橋が完全に水没することがなくなったのです。
水没して冬を迎えた場合、1月にもなると橋の上に分厚い氷が乗り、その負荷がコンクリートの劣化を早める一因になります。現状でさえいつ崩れても不思議ではない橋の寿命を縮めることは間違いなさそうです。
それならば、橋が一日でも長く持つために、水に沈まないことを願うべきでしょうか。そうすると、タウシュベツ川橋梁が「幻の橋」たる所以をなくすことになりかねません。どちらにしても一長一短があるものです。
実際の現状はといえば、完全水没まで残り数十センチというところまで上昇してきた水面が、ここ数日はほぼ変化なし。このあと水位の低下が始まるのか、再び上がりはじめるのか、もうしばらく眺めていることになりそうです。

