新年あけましておめでとうございます。
昨年は、北海道新聞社から2018年に出版した写真集『タウシュベツ川橋梁』の増刷があり、また暮れには自身4冊目となる写真集『裏タウシュベツ拾遺』の制作と、本に関連するうれしい出来事が続きました。おかげさまでどちらも売れ行き好調で、また次の作品制作の励みになります。
写真展についても、2013年以来、毎年どこかで展示の機会を得てきました。今年もすでに4月に北海道・帯広市内のギャラリー「廊-KOHBUNDO-」での4人展への出展が決まっています。
おもなテーマの一つにしているタウシュベツ川橋梁。旧国鉄士幌線の廃線跡に残るこのコンクリートアーチ橋を撮り始めて、今年7月で丸15年となります。これほど長い期間に渡って写真を撮る予定はありませんでしたが、万事塞翁が馬、何が起こるか分からないのが面白いのかもしれません。
昨年9月に、埼玉県から北海道へと移り住んで以来暮らしていたぬかびら源泉郷を離れ、士幌町に居を移しました。奇遇なことに、タウシュベツ川橋梁を走っていた士幌線の中で唯一現在でも駅舎が残る町です。そして、その駅跡と同じ町内会に住むことになりました。
手つかずのまま放置され朽ちていくコンクリート建造物と、木造ながら廃線から30年以上保存されてきた駅舎。そのコントラストに次第に興味を持ちつつあるところです。
写真を撮り始めるきっかけとなったタウシュベツ川橋梁を記録し続けるのはもちろん、新しい被写体との出会いにも期待しながら、また新しい年を過ごしていきたいと考えています。
本年もどうぞよろしくお願いします。
岩崎 量示